『アウトドアフィールド実証実験プログラム』がスタートします


一般社団法人新潟県アウトドア協会は、株式会社OREC(本社:福岡県)と連携し、2025年6月から9月にかけて、参加意向をいただいた新潟県内のキャンプ場を対象として「アウトドアフィールド実証実験プログラム」を実施いたします。

本実証実験は、アウトドア施設における草刈り業務の省力化、安全性向上、熱中症リスクの軽減を目的としており、最新のハンマーナイフモア3機種を導入し、管理作業における効果を検証いたします。

実証実験の目的と期待される効果

  • 労働力不足や高齢化に伴う施設管理負担の軽減
  • 草刈り作業における熱中症リスクの低減
  • 管理作業の省力化および作業時間の短縮
  • 景観の維持向上、害虫発生の抑制
  • 野生動物の侵入抑制および防火対策
  • 日常の整備業務による、災害時の避難経路整備への寄与

実験で使用するORECの3機種

ZHR800

  • その場で旋回可能なゼロターン機能を搭載
  • 電動刈高調整機能付きの自走式モデル
  • 平坦な広範囲の作業において高い効率性を発揮

OREC公式サイト製品情報ページ

HRS815

  • 刈り取りドラムの回転方向を切り替え可能
  • 草の飛散を抑える安全設計
  • 住宅地や公園など飛散対策が求められる場所に最適

OREC公式サイト製品情報ページ

RMT110

  • コンパクトながら高能率を実現するツインブレードを採用
  • 際刈りが可能
  • 飛散軽減モデル
  • 「NETIS」登録製品

 OREC公式サイト製品情報ページ

ハンマーナイフモアとは

ハンマーナイフモアは、回転する多数の小型ナイフにより、雑草や小枝を粉砕しながら刈り取る構造を持つ草刈り機です。刈り取られた草は細かく粉砕されてそのまま地面に還元されるため、回収や処理が不要とすることもでき、作業の効率化と環境への配慮の両立を実現します。一般的にキャンプ場などの芝生を生かした施設では、集草機を取り付けて刈り取った草の回収を行いますが、自然に還元しやすいメリットは同様となります。

農業分野における既存活用事例

新潟県では、ハンマーナイフモアは既に農業分野での導入が進んでおり、特に水田の畦畔管理や果樹園の下草整備において高い効果を上げています。従来の刈払機と比較して作業時間の短縮と安全性の向上が図られ、多くの農業従事者から高い評価を得ています。

今後の展望

本実証実験の成果は、アウトドア施設や公共空間の管理における新たな運用モデルとして、今後広く共有・展開される予定です。新潟県内の地域課題解決に貢献するとともに、持続可能なフィールド整備のあり方を提案してまいります。

プロジェクトの背景

1990年代以降、全国各地で地域活性化を目的とした補助金事業により、日帰り温泉やキャンプ場など、多くの公共的アウトドア施設が整備されてきました。しかし、整備から約30年が経過した現在、施設の老朽化に加え、人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化により、これらの施設を維持・管理していくことが大きな課題となっています。

今回の実証実験は、草刈り作業の省力化という一見技術的なテーマを扱いながらも、「地方創生」というより広い視点に立脚した重要な取り組みです。行政の枠を越えて、地域単位ではなく広域的な視点から、複数施設が共通の課題を共有し、連携して課題解決に取り組む点に大きな意義があります。

また、今回の連携パートナーであるOREC社は、九州を拠点とする農業機械メーカーですが、本プロジェクトに強い関心を寄せ、新潟県アウトドア協会への加盟を通じて協働体制を築いてくださいました。これは、地域外企業と地域団体が連携し、それぞれの技術や知見を持ち寄ることで、地域課題の解決に取り組む新たなモデルケースといえます。

本実証実験は、アウトドア施設や地域資源に対して、「何を残し、どのように持続可能なかたちで活用していくべきか」という根本的な問いを投げかけるものです。そして、これからの30年を見据えた地域資産の再設計に向けた、実践的な第一歩となることを目指しています。

【関連リンク】 株式会社OREC:https://www.orec.co.jp/


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